2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧
机を揺すりながら、男が激しい口調で老人を詰問している。 いったい何がそんなに大事だってのだ。 老人ははげた頭を摩りながら、俯いている。 男は、遊撃の腕を緩めるつもりはないようだ。 一層大きく机を動かすと、編み紐のブーツのつま先で、老人の脛を蹴…
優子ちゃん。 なんて素敵な名前だろう。 優子ちゃん。 いいね~。 優しさにひどく飢えているときだから、名前にだって食指は動く。 こればかりは、どうしようもない。
口内に炎症を発見す。 口内炎と察す。 なんじゃこれは、と訝り辞書を引くと、免疫力の低下やストレスが原因だとある。 そういえば、昨今めっきり寒くなった。仕事探しにも疲れている。 もう一ヶ月間活動しっぱなしなのである。 こんなことならさっさと仕事を…
私は、非常に頻繁に、嘘をつく。 もちろん、自分に対してだけだ。 人にはしない。 嫌われちゃうから。 嫌われることは、怖い。 人は、それを義務教育を通して学ぶ。 いや、少なくとも、私はそれを学んだ。 私は嫌われ者で、ずっと一人だったのだ。 自分で選…
「俺、高校のとき、うどん部だったんだ」 「なんだそら」 「まあいわゆるクラブ活動だ」 「うどん部、って、なにすんだよ」 「まあ、うどん全般だな」 「なんだよ、うどん全般、って」 「河原のアパラ」 より
創造というものが、常に批評の尖頂に据っているという理由から、芸術家は、最初に虚無を所有する必要がある。
戦いや憎しみや欲望がないということは、喜びや至福や愛情がない、ということでもある。 絶望があり幻滅があり哀しみがあればこそ、そこに喜びが生まれる。 絶望のない至福なんてものはどこにもない。
経営なんて高邁な言葉を弄し居ってからに、不届き者、成敗いたす!ジャリジョリ、ぐああ、たった一一度でいいから、お前の口から、おとっつあんって声が聴いてみたかっ・・・。 あんた!? あんた、しっかりおしよ!ねえ、あんた、と目覚めると、朝だった。 …
今日、WWEを観戦しに葡萄館まで行ってきた。 大の男がうぉうおう言いながら殴り合っているのを見て、いったい何が楽しいのか? ひょっとしてあんたゲイ? リアルさが足りないよね、プロレスは。やっぱりプライドでしょ。 いやいやいやいや、何を言っているの…
あと15分で午前六時であるのに、ふざけたタイトルもあったものだ。 ブログを読む人はどんな人だか、あなたは考えたことがおありだろうか? 。・・//***―4444 結論から言いましょう。 それは、これからまさにブログを書こう(もしくは書き終えた)という…
「69」なんて読まなければ、ごたるなんて方言は使わなかった、とまで言うつもりはないが、ボクの佐世保の知識は今とはまったく別のものになっていたことだろう。 だからって別にどうってこともないのだけど、なんとなくごたるを使ってみたくて、村上春樹的…
映画や小説、音楽の中でちょっとシャレた言葉というのがある。 例えば、今すぐに、というべきところをあえて、明日が来る前に、と言い換えたりする。 蓋し、クールである。 まあ、じゃあ、俺もやってみようかなと思い、頭を絞ってみるも、浮かんでくるのは …
うおお、未来が見えねぇ! 俺は自暴自棄になり、毎日酒を飲んでは、新聞をさかさまから読む練習を適当にやった。 そんな俺を見るに見かねたのか、エレコムは次の仕事を紹介してきた。「今度はいったい何の仕事だよ、俺はもううんざりなんだよ! 俺は、あのビ…
スクラップ屋に廃棄処分したビアサーバーはあるはずだった。しかし現実的に言うと、もうなかった。「ずいぶん前に、どっかの社長さんが持って行ったよ」 俺は車を走らせて青山へと向かう。 その社長が住む家が青山にあることがわかったからだ。 「単刀直入に…
俺はいまパリでこのブログを書いている。 パリは喧騒の街である。 しかしいま俺がブログを書いているモンパルナスの伯母の部屋には、伯母の低い唸り声が鳴り響くばかりだ。 伯母は骨の癌に罹っている。 日本ではそれほど有名ではないが、ヨーロッパは骨の癌…
って、別段、この季節、獅子舞なんぞ舞っていない。 今日見た、夢の話である。 どういうわけだか、3ヶ月に一度くらい24時間寝てしまう日がある。 原因はわからないのだが、たいてい月曜日に発現しやすく、そんな日は何があっても決して起きることはない。 そ…
「 月曜日は最悪だというけれど、火曜日だって負けじとひどい 」なんていう歌があるそうだ。 しかしこちとら5ヶ月の認知療法を終えたばかりで、月曜日だろうが火曜日だろうが、もう何かやりたくってうずうずしている。だが実際のところ、家でごろごろしてい…
それは突然起こる。 ビアサーバーがビールを出す機能に致命的な痛手を被る。 新しいビアサーバーを業者が取り付ける。新旧が交代された。 結果として、オレは決定的に損なわれた。 オレが、だ。 二度とビアサーバーは一万円の価値を吐き出さなくなった。 オ…
ビールについての考察 不思議な飲み物である。 ちょっと飲むとアッパーに効く癖に、だいたい飲み過ぎてしまい、結果、ダウナーな感じになって、最後に安っぽい二日酔いが待っている。 まるで、訳がわからない。 だいたいに於いてアッパーな効き方をする物質…
たしかに、どんなことにも、才能はある。 走るのが速いのや、泳ぐのがうまいのがいるように、ビールを完璧に注ぐ才能というのはある。 松本人志や村上春樹が存在しているように。 どうやら ――― というのは、自分ではそのことがよく認識できないからだけど ――…
「一万円、でございます」客から札を受け取ると、ビールを注ぎにバースペースへと向かう。足元の冷蔵庫からグラスを取り出し、ビアサーバーにセットする。 ビアサーバーはとても古いもので、世界に10個も現存していない、とエレコムは説明した。「実際的には…
トンネルを抜けました。 欝、パニ症、不眠症。 長かった病の日々も秋の訪れと共に、姿を隠したようです。 電車にも乗れるようになったし、夜もぐっすり眠れる。気がやたらと滅入ることもなくなった。 このまま永遠に彼らとはおさらばできたらな、と思うので…
はりゃりゃ、残念である。 何がって「村上春樹氏残念、ノーベル文学賞逃す」の報。 マスコミがこれほど騒いだのだから(とりわけ報知は)、氏はさぞ疲れたのではないだろうか。 お疲れさまです、と言いたい。 不謹慎な話だけど、落選の報を受けて妙な期待感…
秋晴れ、笹の葉が揺れて、音一つなく 煙草の煙 ゆらりゆらり 「 ほら、この景色、見てごらん 」 映画のワンシーン(陳腐だなあ)みたいな、透き通った空に吸い込まれていく煙草の煙が、ゆらりゆらり 幸せです