2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

頭の中の箱

朝目が覚めると冷蔵庫までひとっ飛び。 グラスに氷を、 カラコロカラコロ、 ジンを並々、 サイダーを溢れさせ流しを汚し、 仕上げにレモンジュースを垂らせば、 トムコリンズの出来上がりです。 テレビをつけると扇風機を回し、 昨日を私は聴き始めました。 …

第二十話

素敵な夢を。 そんな歌が流れた。 ここは有楽町だ。 私は仕事を終えてビックカメラでiPhoneを買った。 目に留まったイタリアンレストランでサラダとパスタを食べ、コーヒーを飲んだ。 会計は6000円だった。 「いったいどうしてこんなに高いんだ?」私は店員…

物を書いて

文筆業ではないのか? いや、サラリーマンだけど、あんたの場合は、文筆業でしょ。 クレームだ。不穏な空気。鶏を冗談でも犯せない状況。確執。保身。事後収拾。羊探しが始まり… 脳。尿。 俺は否定する。 ある新潟に送ったメール 「ここだけの話、みんな冷た…

犬の

犬の糞である。 しばらく歩くとまた。二連続。 二人の老婆近づいて。杖。セロテープで名前が貼られていて。そういえばスーツに名前が。 アイスクリーム屋の軒先に集う。3つも4つも食べるのだ。 なんかこう虚しいのである。淋しいのである。 だから?

第十九話

分散と不可侵 言葉の上では理解できるし、非常にわかりやすい表現だったが、妻の口から発せられたその語にはもっと深い意味があるはずだった。私はゆっくりと煙草を吸いながら続きを待った。 「つまりね」妻はアイスコーヒーの入ったマグカップを両手で抱え…

第十八話

私の妻はもともと音楽方面の仕事をしていたのだが、体を壊して第一線からは退き、それまでに稼いだ金で湘南に家を建てた。白塗りの壁に黄色の屋根で、三ヶ月に一度はカーテンの色を変えていた。 亀を数匹飼っていた。 「ちょっと、ヤスシ、悪いんだけど」私…

第17話

「逆らいながら逃げた帽子はそっと暗闇に隠れた、sunset 蘇えるあの日々はso long~」 松原真の新曲に私の妻が献詩したと聞いた時、私は何かよくないことが起き始めていることを知った。