#練習用

the 20 story ~ エッチ残像 ~

ボクは――轟――よく夢を見る。 それは不謹慎なくらい淫らで、不自然なくらい外国が多く、不可思議なくらい中世的な、夢だ。 毎晩、ボクはそんな夢を見る。淫らで外国的で中世的な。 或晩、ボクはインドで両性具有の女達と3Pの真っ最中だった。 A(便宜的にこう…

the nineth story ~ みみず城~上

「みみず城」 難攻不落と誉れ高きみみず城・・・か。 西暦3448年―――――――――――――― 黒い巨星の来襲に遭った地球は、文字通り、滅びた。 しかしまぁ、人間はしぶとく生き残っていた。総人口は、そりゃ減ったけど、そこそこ残っていた。そして「結構滅びたなぁ」…

the sixth story ~差詰モアイ~

「君、ローラースケートに乗ったまま、ユンケルを飲んだことあるかい?」 僕は瞬間、無表情を顔面一杯に覆いつくせずに、眼が宙に泳いで、ケッという顔をしてしまった。 相手はレジにいる店員の僕に目もくれず、伏せ目で笑って言った。「君、あけてくれるか…

羊の町の地図 「拡張H」

帝国書院発刊の「新詳高等社会科地図」十五訂版を見ていただくと、巻末に都市の構成分布図が載っている。資料によれば、羊の住む町は「拡張H」型に分類され、それは東南アジアの人口500人以上1000人以下の村によく見られる形態のようだ。 「拡張H」型とは -…

第二章 雨漏り前

雨が降っていた。 霧雨だった。窓から出した手を引っ込めて、羊はその湿り気を確認する。机の上に本を置く。その側には壊れた盗聴器がある。羊はあらためてその機械に触れてみる。 と、その時だ。 ポタ ポタ 羊の視線の端に、水雫がたまっていた。それは盗聴…