#その他文学

ユウジ

俺が初めてユウジに会ったのは四ツ橋の近く喫茶店だった。 「音楽は在る。もうすでに俺の中にある。問題はどうやって連れ出すかなんだな」 喫茶店リトル・ジェームスでユウジはウィンナーコーヒーを飲みながらセブンスターをひっきりなしに吹かして音楽論を…

よっくん

俺は、箱崎海岸の海辺で親友のよっくんとこんな話をしている。 目の前には小ぶりなたき火がたかれている。あいつは冷たいの、俺はあったかいのをキメていたせいで会話はとことんかみ合わない。 「なあよっくん、子供のころの夢ってなんやった?」 「なんやろ…

読点

文章を書いていてよく悩むのが、この読点です。 いまさら文章読本もないですが、川端康成、谷崎純一郎、三島由紀夫、丸谷才一など、名だたる名作家たちが読点の使い方に関して一家言持っていたと記憶しています。 誰がなんと言及したのかくらいは覚えていた…

九分九厘は9・9パーセント?

家のモノが読んでいる「漢字達人」という本が思いのほか面白かった。 要は難読漢字を集めたクイズ形式の書籍なのだが、間違えて覚えていたり、まったく読めないものなども数多くあり、改めて自分の浅学を恥じる結果となった。 一ページ目の最初の問題がタイ…