単なる思いつきを発展させられない

イメージ 1

そもそも単なる思いつきなんか発展させる必要すらない。

何かを作りたい。
そんな欲求を抱えている工場員は思いつくままに絵を描いたり、
文章を書いたり、音楽を作ったりと世の中の大半の人達が
一度は手を汚すあろうクリエイションのまねごとはしてみた。
しかし、それがうまく形にならない。
思いつきを発展・昇華させる力に欠けているようだ。
ではどうしたら良いだろうか?
工場員は考える。そして最初の文章に戻る。

そもそも単なる思いつきなんか発展させる必要すらない。

フックがかかったところで、すぐにリールを巻かず、
しばらくその魚をみている。
たしかレイモンド・チャンドラーなんかがそんなことを
書いていたように記憶している。
クジラかなにかの例えを使ってそんなこを書いていた。
・・・いや、違うな。高橋源一郎だったような気がしてきた。

ほら、ね。
そんな具合に年を取るごとに知識はたくさん増えてきた。
足りないのは何かを他人に見せられるほどきちんと形にする
モチベーションと粘り強さである。

そしてまた最初の問いに戻る。
そもそも単なる思いつきなんか発展させる必要すらない?

そうなんだろうか?
工場員はこの世にたった一人しかいない。
それほど大した人間ではないが、かといって完全に無視してしまうには
ちと惜しい工場員だ。芥川のマッチのような存在である。
少なくとも私にとってはということだが。

さて工場員は考える。
これは一つのストーリーであり、またリアルを含んだ駄文であり、
虚構を含んだリアルである。
工場員は連呼する。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」
しかし果たして本当にそんなに無駄であろうか?

わからない。わからない。
温くなったトマトジュースを飲まない。
緑の靴が三足はある。
雨が昼ごろには止め、穏やかが一日でなるだろう。
余命三ヶ月のバッターボックス。
天津丼を頼んだらエーゲ海に出た。
ロリコンの結婚式。
切れた電話線。
このソファーの座り心地は今イチだ。
今晩は牡蠣を食べよう。
隣人がゲイだった。
禁煙15000日で解禁。
ワイシャツの襟にバッタがついている。
頬を刺す朝の山手通り。
短パンを買ったらポケットに校長が入っていた。
よく笑う赤ん坊かと思ったら柿の木だった。
飲みにいこうといわれて行った先にナウマン象。
寝転がってテレビを見ると孫悟空になる。
世界俎板辞典。
ミネラルウォーターのふたが開かない。
困った人を見ていたら、車に轢かれた。
電車に乗り遅れてしまったので帰って寝た。
つまみ食いがばれて死刑。
まさかドライブスルーで食事するとは思わなかった。
チェコスロバキアには行きたくない。
メモ帳を開いたら、床運動と書いてあった。
引っ越し屋に電話したら、釈由美子が出た。
ジャイアンツ対オオアリクイ
カラマーゾフの兄弟の知り合い

さて寝るか。と工場員は言った。