飯田橋で工場員

LaptopとはいったものでMacBook Proという名前の冠されている銀色の平べったい物体を膝の上に乗せて、右手にはタバコ、左手にはキリン端麗グリーンラベル(500ml)を持っているということは、両の手が塞がっているのだからこんな風に文章を書くことはできない。仕方が無いので工場員はタバコは灰皿、ビールはテーブルに置いて、両手を軽くくむと伸びを一つして、これを書いている。

工場員はふとした気まぐれから小石川後楽園へと足を運ぶことにした。南北線に乗り込んだのが昼を少し回ったところだった。ホームの人もまばらでなんということもない2012年始まって最初の日曜日。
飯田橋で降りると、知人を探しにJRの飯田橋駅東口へと向かった。それらしい人を見かけたのでヘッドフォンを外して「おす!」というと振り返ったのは全くの別人で「おすーーーー(ヒュン)」とフェードアウトして、Beckers前にいたその当人と落ち合った。少し話をしてから立ち話もなんだということでランチを食べに神楽坂に向かった。目指していた蕎麦屋が閉まっていたので仕方が無い、もう一つ別の店へとむかった。細い路地を抜ける途中に民家、といってもハイパーに裕福そうな方が行住していそうな豪邸の駐車場らしい砂利道の前にひっそりと看板がでているその店は六本木ヒルズの「やぶ」出身の亭主がやっている蕎麦屋で、ログハウス風の佇まいの概観を裏切るように、エドワード調の肘掛け椅子が並んでおり、工場員たちが座った席の隣には主婦6人組がコース料理を召し上がっている最中だった。
「違うわよ、山本さんちは慶応よ」
「そうだったっけ?そうこないだ化膿姉妹にあったわ、横からみたら顔が膨らんでててね」
耳を取られる工場員。話がヒアルロン酸の注射と言うところに及び、ああ叶姉妹かと腑に落ち、野菜天ぷら、田舎蕎麦を注文し、待ってる間にこちらどうぞ、と出てきた椎茸とエビの素揚げをポリポリとやっていると蕎麦が出てきた。控えめに表現しても、少な目。いつか親父が「旨い蕎麦屋は量がすくねんだよな」とぼやいていたのを思い出した。

面倒くさいのでもう止める。ええー!なんて勝手な。と思った方。これ日記なんでそういうのもありということで一つよろぴく。
端的に書くと、その後小石川後楽園でまったくつまらない木々をみて、体が芯から凍るほど寒いのを我慢して名物おじさん「青木太郎」の話をきいて、それから二代目つじ田でラーメンを食し体を温め、その後帰ってきた。ただそれだけ~