2010-05-16 次回 Wonder pond でお会いしましょう 工場員 #小説 心の中は平原があって、平原には無数の池がある。 大きいものや小さいもの、魚が住んでいるようなのもあれば、苔の一片も生えていない寂しいものもある。 石を抱えて歩いていると不意に手の力が抜けて無数の池の内の一つの池に抱えていた石が落ちてしまう。 「ああ」と嘆息する。 石はぬっくりぬっくりと池の底に沈んでいく。 水面には波紋が広がっている。