第三十一章 終わり

こんな感じで終わることに誰も不満はないのか?
ない。

羊の物語はこれで終わる。

作者―――ボク=羊―――は丸谷才一文章読本を片手にこの小説を書いてみた(嘘)。

もちろん、うまくいかないことが殆どだったし、うまくいったためしなんてない。

“25の奇妙な話”の最終話は「柵」だった。

50在ったはずの言葉は実際には49個しかなく、ボクはとほうに暮れた。パソコンの前で、土曜日の朝9時30分に。

でもそれでいいのだ。数え間違い、勘違い、なんだっていいのである。
これはボクのためのボクだけの小説で、他の誰のものでもないから。

丸谷才一が聞いたらシャベルカーに乗って襲い掛かってきそうだけど、
それでもいい。

では、最後に柵について書く。これで最後だ。