こんな感じで終わることに誰も不満はないのか?
ない。
羊の物語はこれで終わる。
作者―――ボク=羊―――は丸谷才一の文章読本を片手にこの小説を書いてみた(嘘)。
もちろん、うまくいかないことが殆どだったし、うまくいったためしなんてない。
“25の奇妙な話”の最終話は「柵」だった。
50在ったはずの言葉は実際には49個しかなく、ボクはとほうに暮れた。パソコンの前で、土曜日の朝9時30分に。
でもそれでいいのだ。数え間違い、勘違い、なんだっていいのである。
これはボクのためのボクだけの小説で、他の誰のものでもないから。
丸谷才一が聞いたらシャベルカーに乗って襲い掛かってきそうだけど、
それでもいい。
では、最後に柵について書く。これで最後だ。