第四十二話

せっかく夢うつつなんだから、ここいらでさ、「本気の」文学をしてみてもよいかな、と俺は思う。「本気の」文学とは、留保なしの物語のことで、次の一行で悩まされることのない、流麗な文章を指す。二義的に取らえられうる文章というのは、カックテルであって、ストレートではない。
音楽でいうところのコピーってのが、文章にも列記としてあって、同じ音を同じように出すことは、音楽のそれにくらべて難易度も低いし(だって左に本を置いておいて、それをチョコマカと時間をかけて移すだけだから!)。
俺は若いころ、と言っても22,23の頃だけど、盲目的に春樹を写しまくっていた時期があったけれども、自分の暴力衝動おをさえるために、花村満月さんの本もダイブ写した。なんだろう、色々と溜まっていた時期なんだと思う。欝とか写経していたからさ。パン工場
よし、決めた。
ちゃんと書こう。文学してみよう。
教科書通り、起承転結をつけて、なるべくシリアスな衝突を発生さないような、社会的安全弁として小説。骨子はこのままいただきます。

もう、限界です。