第二十四話

 シャワーを浴びていた。
青白い浴室にいると、ジョディー・フォスターの「ブレイブワン」のワンシーンで、殺人を終えた主人公が家に帰ってくるなりシャワーを浴びている。服を着たまま。黒いTシャツとジーンズを脱がないで、栓を開いて、あまつさえ石鹸で洋服の上から体を擦る。やりすぎじゃないだろうか、そんな風に思った。
 
 黒に近い深い藍色のタオルで体を拭っていると隣室からモット・ザ・フープルの「ALL THE YOUNG DUDEs」が聞こえる。
 部屋には5枚の新しいCDが借りてあった。モット・ザ・フープルピクシーズトム・ヨークの「ジ・イレイザー」とレンタル専用の「スピッティング・フェザーズ」・・・・
 そういえば先の映画でもレディオヘッドの名が出ていた。きっと軟弱な音楽だからなのだろうか。「おし●ぶり野郎」という翻訳にされていた。カタカナで「お前も、レディオヘッド(おし●ぶり野郎)かよ」黒人ギャングが地下鉄でジョディー・フォスターに絡むのだ。

 これから僕は奥さんと二人で近所の中華料理屋に行って、アツアツでポックポクの「トンポーロー」を食べに行く。矢口渡には「華栄」という、リーズナブルでびっくりするくらい手の込んだ料理を出す店があって、そこが今月の終わりで三周年を迎える。(感謝の意味でといったことだろうけど)、トンポーローを3日間限定で作っているのだ。

では行ってきます。