今回で、この話は終わる。
予想していた以上に長引いてしまい、自分でも驚いている。
一匹の羊のたわごとはある結論を今から導き出す。
★★★
ビートルズの破壊者としてのピストルズの圧倒的な成功がもたらした、強力な地盤を引き継いだオアシスは、再び時代の斥力(何かを跳ね返す力)として働き始める、21世紀。
ここで一つ予言をすると、今後オアシスのアルバムセールスは「モーニング・グローリー」を超えることができないだろう。誰も自分で自分を越えることなどできはしないように。
それは影のようなもので、どこまで行ってもオアシスは「モーニング・グローリー」という名の影を追い払うことはできないことだろう。ビートルズがビートルズという存在を越えられないのように。
つまり、オアシスのあるところに答えはない、と言い換えられるかもしれない。もっと大胆な言い方をすれば、オアシスは一つの時代になり代わってしまった、といえるだろう。
松原真。
オアシスは一つの時代なんだ。オアシスの存在自体が「今までの音楽、これからの音楽」を含んだ存在というわけだ。
さて、君は一体、何をどう歌ったらよい?
新しい個人主義 ―― そしてそこから生じた矛盾。そんな21世紀。
歌い手は何を歌えばよい?
そしてオアシスを信奉している君が、オアシスという現在進行形の時代をどうしたら越えられるだろうか?
明確な答えはわからないが、少なくとも昔を振り返ることに答えはないと、ボクは考える。
現在進行している2006年(OASIS)に、すくなくとも真似て形になるものなど残ってはいない。
伝統(ビートルズ)すらも、例外ではないと、ボクは考えている。
「モーニング・グローリー」(過去の成功)に答えはない。
結論: 自分で動いて、自分で探すしかない。
そしてそれは結構、大変なことだね。
文学的に言えば、村上春樹に答えがないように、それはそれでけっこう大変。
でもそれをするしか、ないんだね。
少なくとも、それははずれではないからね。絶対的な存在に対する、アンチテーゼというのは、一つの形だとボクは思うよ。
でもそういう理屈抜きに、自分の好きなことをみつけて、それをじっと静かに見つめてみて、そこに愛すべきロックな魂があれば、それを一生懸命歌い上げるしかないんじゃないないかな?