★2

と帰ろうとしたところで大将「呑み行くぞ」

とやってきました、土間土間、ゆみゆみが相変わらず「豚しそ巻き」を薦めてる。

大将、オレにウィスキーを注ぎ注ぎ、こう言った「お前、正社員になれ」

ちり紙交換の正社員も悪くない、とオレ即答、やる、ぞ。

がしかし、正社員とはちり紙交換業にあらず大将の経営する
某リサーチ会社だった。


新大久保のキムチ臭いビルの一室で、オレはリストにある人たちに電話をかけてマニュアルよろしくこうの給う

「あ、もしもし、鈴木さんですか?ワタクシですね、K'sインターナショナルの、イ・ワ・サ・キと、申します。本日鈴木さんにお電話さしあげたのはですね、先日ご登録いただいた出会い系サイトのですね、ええ、ええ、あ、そうです、そちらの会社です。で、ですね、ご登録の際にですね、確認画面の方に書いてあったのですが、ええ、はあ、はあ、あ、ではなくてですね、ご登録料の方、ええ、ええ、そこの下の画面です、あ、はい、見えました?ええ、ええ、知らなかった?ああ、でもそちらご利用契約にもありますし・・・、ええ、ええ、ああ、はい、クーリングオフですか?ええ、あ、お客様、鈴木様、おい、すずき、聞いてんの?」

という仕事。

そこで出会った有紀ってやろうが、変な野郎で、オレに現金200万を渡してこう言った「その金持って、とっとと逃げてくれよ」

わけがわからないが金を貰った手前、シカトするわけにも行かず、オレは大将に理由を告げずにリサーチ会社を去る。

というのは、オレの兄貴は警察で働いていて、それを知った大将の入れ知恵だと
すぐに気がついたが、オレは兄貴にはもちろん、何も言わなかった。