昼のチャイムがなると工員は

学校で流れていたのと同じチャイムが流れる。

午はんを食べに工員は外へ出ます。

薄暗い建物から出て、マスクを外し、大きく伸びをして、空気に漂う食事の香りを吸い込み、
ある工員は煙草の火をつけ、またある工員は缶コーヒーのプルトップを空けて、またある工員は妻の弁当の結び目を解き、またある工員は大げさにあくびをすると、太陽の下、風にたなびく緑の旗、真ん中に白抜きされた十字を眺め、そして急いで腕時計をみやると、あと55分しかない、とつぶやいたのでした。