物語が機能しなくなる。
今ボクが吐いた唾だって、ゲームセンターの電球だって、いつかは滅びさる運命にある。
これは間違いない。
そしてボクは実際にいくつかの物語を機能させなくさせたことだってある。
またいくつかの物語に絶望させられて、そしてまた絶望させてきた。
誠実な自分、自堕落な自分、動物的な自分、嘘つき、気取りや、エトセトラ。
もうなんだか自分がよく分からなくなってきた。
どうでもよくなってきたわけじゃない。どうでもよくはない。だろう?
しかし片一方の世界において、語りべは「あーあー」と叫んで舞台を跳ね回っている。
鼠。ボクはたまに鼠になりたいと真剣に思うことがある。
舞台のすそでチューチューいっているだけで幸せなんだ。そういう生まれなんだ。
やたらめったら人生を悲観する人たちが、いる。
実際それは悲観すべきような悲壮な人生だったのだろう。
物語は機能しなくなる。なんだかよく分からないだろうけど、そういうことみたいだ。