第七話 ガールフレンド

■ 私は慢性的なインポテンツである。



――― ボクが初めて女性と肌を合わせたのは14歳の時のことでした。

同い年の女の子と気の向くままに性欲の追及できたのです。

振り返ってみるにボクの異性との撞着はひどい種類のもので
それはもう衝動と名付けるに相応しいものでした。
思春期に目を覚ましたソレを日に何度かの自慰で収めることでなんとか日々を乗り越えてるといった有様で、女子の体育を見ていることすらできませんでした。
彼女達を凝視したらそのまま身体が言うことを利かなくなり襲い掛かってしまいそうで、
ボクは女性を敬遠すらしておりました。
犯罪者にはなれない。そう思ったからです。

しかし女性を遠ざけることで、欲望はなお一層高まったようにみえました。
ついにボクは自慰を授業中や友人宅に泊まった際なども抑えられなくなり
「自分は一体どうなってしまうんだろう?」とペニスを右手にトイレで震えることもしばしばでした。

中一の冬のことですが、従兄弟と夜行バスを利用してスキーに行った折、
ボクは前の座席で眠っていた女性の胸を後ろから弄ってしまったんです。
もう性犯罪までは後一歩、というところまで追い詰められていた中二の夏。
彼女が突然、現れたのです。

彼女は早熟な子で、胸はジャージを押し返すほど競り出ていたし、
瞳の奥から痛みを知る鈍い輝きが放たれていて、
いま思い返しても「女性」と呼んで差し支えない程度でした。
そして彼女は実際に性的に早熟な女性だったのです。

ボクらは学校が終わると一度家に帰り、シャワーを浴びて
夜の学校や、公園で互いの性器を撫であい、唾液を交換しました。
彼女はボクの言うままに乳首を寒空に曝し
パンツを膝まで下げて、その色をボクに確認させてくれました。


そして彼女と出会ってから3ヶ月目、ボクは初めて彼女を4つ這にして
後ろから組み敷きました。
その時のことです。愛撫をしている最中あれほど膨れ上がった股間
萎えました。
入り口にあてがうところまでは良かったのですが、
それ以上ボクのモノは硬度を保てませんでした。

あれ以来ですか、ボクは慢性的インポテンツなんです。

それこそうまくいくことが稀なくらいに最近症状は悪化しています。

前回のガールフレンドには一度も射精できなかったくらいです。

ですから、例のパニ障が発病した時もガールフレンドには頼れなかったんです。